「自分の書いた文章を読み返すとわかりづらい」
「何が悪いのかわからないけど伝わりにくい」
「読み進めて行くことにストレスを感じる」
あなたは、そんな悩みをお持ちではありませんか?
文章のどこが悪いのかわからないけど何だかピンと来ない。
そんな場合に考えられる原因の1つに、主語と述語の「ねじれ」があります。
主語と述語が「ねじれ」状態で、上手くかみ合っていないことで、
わかりずらく、読み進めること自体にストレスが蓄積するため、
読み手の集中力も途切れ、更に理解されずらくなってしまうのです。
主語と述語の「ねじれ」を正すことで、読みやすく、
わかりやすい文章となり、ストレスなく読み進めてもらえるようになります。
そのためには、自分ではわかりにくい、「ねじれ」に気付く必要があります。
ここでは、主語と述語の「ねじれ」とは何なのか?
どうやって気付き、どう改善すればいいのかについてお伝えしていきますね。
目次
■主語と述語の「ねじれ」とは?
「ねじれ」とは、主語と述語の、かみ合わせがおかしい文章のことです。
例えば、下記の例文を読まれて違和感を覚えますか?
彼女の特技はダンスが上手です。
上記の例文は、主語と述語が「ねじれ」ています。
- 主語:「特技は」
- 述語:「上手です」
このように、主語と述語を見れば、かみ合っていないことがわかると思います。
この例文の「ねじれ」を正すと下記のようになります。
彼女の特技はダンスが上手なことです。
- 主語:「特技は」
- 述語:「上手なことです」
このようにすると、主語と述語がかみ合います。
上記のような短い例文では、主語と述語の間が短いため、
「ねじれ」はわかりやすいですが、下記の例文のように、
主語と述語の間が少し長くなるとやや気付きにくい「ねじれ」となります。
彼女の特技は、6歳から習い続けて大会で優勝したこともある、ダンスが上手です。
この例文の「ねじれ」を正すと下記のようになります。
彼女の特技は、6歳から習い続けて大会で優勝したこともある、ダンスが上手なことです。
このように、主語と述語の間が長くなるほど、「ねじれ」は気づきにくくなります。
「ねじれ」た文章になってしまう3つの原因と改善例文
主語と述語がねじれてしまう原因は3つあります。
- 「単文・重文・複文」の分類が理解できていない
- 能動態と受動態(受身)の書き分けができていない
- 主語を省略した場合に述語とのかみ合いを意識できていない
これらの原因を、それぞれ例文と一緒に解説していきますね。
「単文・重文・複文」の分類が理解できていない
文章の構造は「単文・重文・複文」に分類されます。
単文「主語+述語」
彼がチョコレートを食べました。
- 主語:「彼が」
- 述語:「食べました」
単文とは、上記のように、主語と述語の組み合わせが、1組だけの文章のことです。
重文「主語+述語」「主語+述語」
彼がチョコレートを食べ、私はコーヒーを飲んでいました。
- 主語:「彼が」
- 述語:「食べ」
- 主語:「私は」
- 述語:「飲んでいました。」
重文とは、上記のように、主語と述語の組み合わせが、2組以上ある文章のことです。
複文「主節(主語+述語)」「従属節(主語+述語)」
私は彼が卒業するのを心待ちにしています。
- 主語(主節):「私は」
- 述語(主節):「心待ちにしています。」
- 主語(従属節):「彼が」
- 述語(従属節):「卒業する」
- 主語:「山田さんは」
- 述語:「お祝いした」
- 主語:「山田さんは」
- 述語:「お祝いされた」
複文とは、上記のように、
主語と述語の組み合わせが、
入れ子状態になっている文章のことです。
重文や複文は、文章が複雑になるため、
主語と述語のねじれが起こりやすくなります。
文章が長くなればなるほど、ねじれに気づきにくくなりますので、
一度、分解して「単文」にしてみれば、わかりやすい文章になるはずです。
例えば、下記の例文を読んでみてください。
彼がキッチンで料理を作りながら
「今日の料理は隠し味を入れているので美味しいはず」
と言ったから、私は早く食べたくて心待ちにしています。
この例文を、まず分解してみます。
「ねじれ」を正すと下記のようになります。
彼がキッチンで料理を作っていた。
「今日の料理は隠し味を入れているので美味しいはず」と言った。
だから私は早く食べたくて心待ちにしています。
分解はしましたが、上記では、
単調な言い回しで文章としては良くないです。
そこで、この「作っていた」を「作りながら」として複文で繋げてみます。
彼がキッチンで料理を作りながら
「今日の料理は隠し味を入れているので美味しいはず」と言った。
だから私は早く食べたくて心待ちにしています。
こうすると、単調な言い回しが和らいだと思います。
重文や複文の場合、
ねじれが起こりやすいので、まず分解してみて、
単調な言い回しになり過ぎたら和らげるように調整しましょう。
能動態と受動態の書き分けができていない
能動態は、「~する」「~した」のように、動作をする側の人を主体としています。
受動態は、「~される」「~された」のように、動作をされる側の人を主体としています。
これを踏まえて、まずは、下記の例文を読んでみてください。
山田さんは司法試験に合格して、事務所でお祝いした。
上記の例文は、主語と述語が「ねじれ」ています。
一見、かみ合っているように見えますが、
山田さんが合格し、自分でお祝いはしないので、
これは、人にお祝いをしてもらっている文章であることから「ねじれ」なのです。
動作をする側の人を主体とした「能動態」では噛み合わないということです。
この例文の「ねじれ」を正すと下記のようになります。
山田さんは司法試験に合格して、事務所でお祝いされた。
上記のように「受動態」とし、
動作をされる側の人を主体とすれば「ねじれ」は解消されます。
このように、能動態と受動態の書き分けができていないと、
「ねじれ」が発生しますので注意しましょう。
主語を省略した場合に述語とのかみ合いを意識できていない
主語が無くてもわかるだろうと、主語を省略することはあると思います。
しかし、主語を省略した文章に慣れてしまうと、
述語とのかみ合いが「ねじれ」てしまっていることに気付かないことがあります。
まずは、下記の例文を読んでみてください。
夫が会社からリストラ通告され、不安だったが、「なんとかなる」と冷静を装った。
この例文では、「不安だった」のが誰なのか、主語がありません。
「夫」が「不安だった」のか?とも思ってしまいますよね。
この場合、下記のように「主語」を付ければ明確になります。
夫が会社からリストラ通告され、私は不安だったが、「なんとかなる」と冷静を装った。
こうすると、「不安だった」のが誰なのかが明確になります。
このように、主語を省略した場合、述語とのかみ合いが、
「ねじれ」てしまっていることがあるので注意しましょう。
まとめ
「ねじれ」は、文章をわかりづらくしてしまいます。
気付かないうちにねじれてしまいがちですので、
慣れないうちは「ねじれ」を意識して読み返すなどしてみてください。
そうすることで、
自然に「ねじれ」に気付くようになり、
無意識にやってしまうことはなくなるでしょう。