私は、訪問販売・電話営業・住宅営業と、
セールスの世界で生きてきました。

そんな中で、もう遠い昔ですが、
ある上司に、一冊の本を渡されたのです。

「○○君、これ貸してあげるから読んでみて」

手に取った私の目に飛び込んできたのは、
「ステーキを売るな、シズルを売れ」

「なにこれ?」と心の中で思いながらも、
「はい。ありがとうございます!」と、その本をお借りしました。

当時、私は知らなかったのですが、
その本こそが、セールスの世界では有名な「ホイラーの法則」だったのです。

ここでは、「ホイラーの法則」各公式の説明と、
モノを売る仕事すべてにおいて不可欠だといえる、

「ステーキを売るな、シズルを売れ」
「ユー能力」

について、その具体的活用方法をお伝えします。

ホイラーの法則とは?

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アメリカの経営アドバイザー、「エルマー・ホイラー」の、
1937年の著で、マーケティング、販売ノウハウをまとめたものです。

ホイラーの法則は、セールスにおける本質を学べるもの。

私たちのように、ブログでビジネスを行う仕事の場合も、
この意識がないと売り続けることはできません。

私自身、当時この本「ホイラーの法則」に助けられ、
今でも活用し続けているものですからね。

ホイラーの公式

ホイラーの法則には、第1条~第5条までの、
ホイラーの公式があります。

第1条:ステーキを売るな、シズルを売れ

商品そのものではなく、
その商品によってもたらされる欲求を、
臨場感を持たせてイメージさせる。

※この公式については、この先を読み進めていただいた先の見出し、
「ステーキを売るな、シズルを売れ」で別途、具体的に説明しています。

第2条:手紙を書くな、電報を打て

相手に刺さる言葉というのは、
シンプルでわかりやすい言葉です。

たくさんのことを同時に相手に伝えても、
逆に1つのことさえも記憶に残しにくくなってしまいます。

重要な1つの伝えたいテーマがあるのなら、
それ1点をシンプルにわかりやすく伝えることです。

※記事全体としてもテーマは1つに絞るべき
ブログ記事のテーマは1つ!書くことがないのは読者目線の深堀り不足

第3条:花を添えて言え

セールスで言えば演出の仕方。
ブログで言えば言葉の使い方や画像による演出ということです。

例えば、同じステーキでも、

「美味しいステーキ」

と言うより、

「3ッ星レストランで修行を積んだシェフ厳選!
佐賀牛1頭から数%しかとれない贅沢ステーキ」

といった方が、美味しそうに感じますよね。

そこに美味しそうな画像もあれば、
なおシズル感も増すはずです。

第4条:もしもと聞くな、どちらと聞け

セールスの鉄則は「ノー」と言わせないこと。

つまり、「ノー」と答えられる質問はしないということです。

例えば住宅の例で言うと、
「この家、気に入っていただけましたか?」
では、気に入らなければ「ノー」と言われます。

しかし、
「この家と、先ほどの家だったらどちらがいいですか?」

と聞くと、どちらかを答えるものです。

かと言って、それですぐに決まるわけではありません。

しかし、「ノー」では、そこで話は終わってしまいます。

どちらかをお答えいただけることで、
そこから話を展開できるし、「イエス」の
積み重ね自体が購入へと繋がりますからね。

ブログでも同じく、
「この商品の特徴、とても良いと思いませんか?」

と問いかけるよりも、
他の一般的な特徴と比較させた方がいいということです。

そうすることで、例え会話ではなくても、
読み手の心の中で「イエス」が積み重なり、
納得へと繋がっていきますからね。

第5条:吠え声に気をつけろ

これは、特に電話営業をしていた時に、
気を付けていたことです。

そのもの「声」ですね。

「声」によって相手の印象は決まります。

一般セールスでも見た目だけではなく、
「声」も重要ですからね。

ブログの場合も、動画や音声を利用する場合は、
最低限、印象の良い「声」を意識するべきです。

あとは、ブログでのキャラクターに合わせて、
「声」も演出するべきですね。

ステーキを売るな、シズルを売れ

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ジュージューと、鉄板の上で焼けているステーキ。

あの音や匂いが醍醐味とも言えますよね。

お皿の上に乗せられたステーキは、
なんとも味気ないものです。

なぜ、そう感じるのか?

それは、人間の五感を刺激しているからです。

ホイラーの法則の「ステーキを売るな!シズルを売れ!」

この言葉は、ステーキそのものを売ろうとするなということ。

つまり、それを食べて得られる満足感を、
五感からイメージしてもらうということです。

ここで言うシズルとは、ジュージューと焼ける音と匂いです。

この音と匂いによって、五感が刺激され、
食べたいという欲求が最高潮に高まるのです。

臨場感を持たせて体感させる

例えば、私が過去にしていた住宅営業では、建物自体、
つまり、構造や特徴に興味を示すのは一部の男性だけです。

堅い仕事をしている男性は、統計的にその傾向がありました。

そういった方には、鉄骨は何センチで、
外壁は○○で、屋根は○○で。。。

と、優位な特徴を理論的に説明します。

しかし、それ以外のほとんどの方に、
そんな話を最初にしても、興味がなくなるだけです。

もちろん、購入意思が固まれば説明しますが、最初からはしません。

ほとんどの方は、
住んだらどうなれるのかを、まずイメージされます。

特に、女性はその傾向が強く、
「ここにソファーを置いて、ここにテーブルを置いて」
みたいな感じです。

ホイラーの法則でいう、シズルとは、
まさしくこの事で、建物そのものの機能や特徴ではなく、
住んで得られる満足感・期待感を示します。

それらに臨場感を持たせて体感してもらうということです。

ここでいう満足感・期待感は、
単なるメリットとはまた違い、感情的なもの、
イメージ的なものが加味しています。

その個人の持つ、満足感や期待感はそれぞれ違います。

そこを如何に見つけ出し、イメージを膨らませるかが、
セールスの成果に繋がってくるのです。

ホイラーの法則の「ユー能力」とは?

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ブログの場合は、対面ではないので、
個人の持つ満足感・期待感はわかりません。

だからこそ、自分のブログのターゲットを絞り、
その相手の立場になる必要があるのです。

※具体的なターゲットの絞り方はこちらの記事をどうぞ。
ターゲット設定の本質【サラリーマンだけでは感情を揺さぶれない】

相手の立場になるというのは、
ホイラーの法則の中でも「ユー能力」と説明しています。

自分目線ではなく、相手の目線となって見ること。

相手が本当に欲しているものは何なのか?

上記の住宅の例えで言うなら、
「家」という商品自体を欲しているのではないということ。

その人にとって、

「住んで得られる満足感・期待感は何なのか?」

という部分を深く掘り下げて、
相手の目線で見るということです。

ホイラーの法則のまとめ

ブログにおいても、

「商品によって、もたらしてほしい満足感・期待感は何なのか?」

これを読者目線で見るということです。

例えば、掃除機が欲しい人は、
その掃除機特有の特徴が知りたいわけではありません。

その特徴によって、
自分にもたらされる満足感が知りたいのです。

それを、シズルを使い臨場感を演出してイメージさせる。

商品そのものではなく、
その先にある欲求を見るということ。

そのためには、ブログに呼び込むターゲットを
しっかりと設定し、その相手が欲していることを、
とことん深くまで突き詰めることです。

「ステーキを売るな!シズルを売れ!」

ホイラーの法則にある、この言葉を常に念頭に置いて、
五感を刺激する臨場感あるブログを心がけましょう。